髪を乾かすたびに「パサパサしてまとまらない…」と感じたことはありませんか?
実はその原因、多くの場合はドライヤーの使い方にあります。
毎日使うものだからこそ、何気ない習慣が髪を傷めてしまっていることも少なくありません。
この記事では、そんな悩みを抱えるあなたに向けて、美容師やヘアケアの専門家が発信している情報をもとに、「髪がパサつく原因」と「正しい乾かし方」をわかりやすく解説します。
誰でも今すぐ始められる改善方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次

なぜドライヤーで髪がパサパサになるのか?
「ドライヤーが髪を傷める」と聞いたことがある方も多いと思いますが、実際は使い方の違いが大きく影響しています。
本来、ドライヤーは髪を守るための道具でもあります。
にもかかわらず、パサつきやダメージが起こるのはなぜなのか——その理由を明らかにしていきます。
ドライヤーは毎日使うものだからこそ、使い方の小さな違いが髪の状態に大きな差を生みます。
ここでは「なぜドライヤーで髪がパサパサになるのか?」について、主な原因を4つの観点から解説します。
熱によるダメージ【キューティクルと内部構造の崩壊】
ドライヤーの温風は、一般的に100〜120℃に達します。これは調理に使うオーブンの予熱レベルと同等であり、髪にとってはかなりの高温です。
髪の表面の「キューティクル」は、内部の水分や栄養を守るバリアのような存在ですが、熱に弱く、高温が長時間当たると以下のようなことが起こります。
- キューティクルが開いたまま閉じなくなる
- 重なりが乱れてめくれ上がる
- 最悪の場合ははがれ落ちてしまう
その結果、髪の内部が外気にさらされ、乾燥・切れ毛・枝毛・ツヤの低下などが起きます。
さらに濡れた髪はキューティクルが開いており、急激な加熱でたんぱく質変性が起きやすい状態です。
「ジリジリ音がする」「焦げ臭い」と感じたら、すでに髪に強いダメージが加わっている可能性もあります。
風の当て方が間違っている【キューティクルの方向と摩擦の関係】
髪の表面にあるキューティクルは、根元から毛先に向かってウロコ状に並んでいるため、風の方向が非常に重要です。
間違った風の当て方の例
- 毛先から根元に向かって風を当ててしまう
- ドライヤーを固定して一点に長く当て続ける
- 髪に近づけすぎ(10cm未満)で乾かす
これらの行為は、キューティクルを逆立てたり焼いたりしてしまうため、摩擦と熱のダメージが重なりやすくなります。
正しい当て方
- ドライヤーは常に動かす(一点集中を避ける)
- 風の流れは根元から毛先に向かって
- ドライヤーと髪の距離は15〜20cmが理想
仕上げに冷風を使うと、キューティクルが閉じてツヤが出やすい。こうすることで、髪がまとまりやすく、自然なツヤと指通りの良さが生まれます。
乾かしすぎによる水分不足【必要な水分まで飛ばしてしまう】
「しっかり乾かさないと気持ち悪いから…」とドライヤーを長時間使いすぎていませんか?
実はそれが“乾かしすぎ”によるパサつきの原因かもしれません。
乾かしすぎとは?
髪は約10〜15%程度の水分を含んでいるのが理想です。
ところが、乾ききったあとも温風を当て続けることで、本来必要な内部水分まで奪ってしまうことがあります。
その結果
- 髪が硬くなる
- ツヤが消えてゴワつく
- 静電気が起きやすくなる
適切な乾かしタイミングと見極め
- 80〜90%程度乾いたら温風はストップ
- 手ぐしを通して“根元が乾いた感覚”が目安
- 最後は冷風で熱を逃がしつつ仕上げる
「なんとなく乾いてる」よりも、“過乾燥に注意”する意識が美髪には大切です。
髪の状態や環境による影響【外的要因も大きなダメージに】
ドライヤーの使い方を正しくしていても、髪が元々ダメージを受けやすい状態や環境にあると、パサつきは起こりやすくなります。
髪のコンディションによる影響
- ブリーチ・カラー・パーマ後の髪は内部が空洞化していて、水分保持力が弱い状態
- 細くて柔らかい髪質は、キューティクルが少ないため外的刺激に弱い
- ダメージが蓄積している髪は、乾かすほどに水分が飛びやすくなってしまう
環境による外的ストレス
- 冬や梅雨など湿度の影響で髪の水分バランスが乱れやすい
- 紫外線・空気の乾燥・エアコンの風も髪の水分を奪う要因
- 生活習慣(食事、睡眠、ストレス)も髪の栄養に関係する
こうした背景があると、ドライヤーの熱や風による影響が強く出やすくなるため、外的要因とヘアケアのバランスを見直すことも重要です。

やってはいけないドライヤーの使い方【NG例】
濡れたまま放置してから乾かす
濡れた髪は、キューティクルが開いて無防備な状態にあり、外部からの刺激に非常に弱くなっています。
このまま長時間放置すると、髪の内部の水分が自然蒸発し、乾燥が進行します。
さらに、濡れた髪同士が摩擦を起こすとキューティクルがはがれやすくなり、枝毛や切れ毛の原因にもなります。
ドライヤーを使う前に、まずはタオルで水分をしっかりと吸収し、なるべく早く乾かし始めることが大切です。
自然乾燥を長時間放置するのではなく、「タオルドライ→すぐにドライヤー」が基本の流れです。
ドライヤーを近づけすぎる
「早く乾かしたい」と思うあまり、ドライヤーを髪に近づけすぎていませんか?
10cm未満まで近づけると、熱が一点に集中してしまい、キューティクルが焼けたり、たんぱく質が変性して髪が硬くなる恐れがあります。
特に細くて柔らかい髪質は熱の影響を受けやすいため、熱のダメージを避けるには15〜20cm程度離して使用するのが理想的です。
また、ドライヤーの風を一点に集中させず、髪の流れに沿って動かすことも大切です。
同じ箇所に長時間風を当てる
無意識のうちに「ここが乾きにくいから」と一箇所に熱風を当て続けていませんか?
これにより、その部分だけ過度に乾燥し、水分と油分のバランスが崩れてパサつきや切れ毛、枝毛の原因になります。
ドライヤーは常に動かしながら使用し、髪全体をムラなく乾かすことが大切です。
特に髪の根元から乾かし始めて、毛先には熱を当てすぎないように注意しましょう。
また、乾いてきたと感じたら冷風に切り替えることで、キューティクルを閉じてダメージを軽減できます。

専門家のアドバイスに基づく!正しいドライヤーの使い方ステップ
タオルドライで8割の水分を取る
髪が濡れたままの状態でドライヤーを使うと、乾かすのに時間がかかる上に、熱によるダメージも増加します。
そのため、ドライヤーを使う前にしっかりとタオルドライを行うことが大切です。
ポイントは、ゴシゴシこすらず、優しく包み込むように水分を吸い取ること。
髪を強くこするとキューティクルが摩擦で傷つきやすくなります。
目安としては、髪の水分の8割程度をタオルで取り除くイメージで、ドライヤー時間の短縮と熱ダメージの軽減に繋がります。
根元から毛先の順に乾かす理由
髪は部位によって乾きやすさやダメージ耐性が異なります。
特に根元は乾きにくく、毛先は繊細でダメージを受けやすいため、乾かす順番が重要です。
まずは根元から乾かすことで、全体のボリュームをコントロールしやすくなり、頭皮の湿気を防ぐ効果も。
次に毛先へと移ることで、ダメージを最小限に抑えることができます。
また、キューティクルの方向(根元から毛先)に沿って風を当てることで、ツヤと指通りの良い仕上がりになります。
冷風を使って髪を引き締める
温風で髪を乾かした後は、必ず冷風で仕上げるのが美髪ケアの基本です。
熱によって開いたキューティクルを、冷風で引き締めることで、髪の水分や栄養を内部に閉じ込める効果があります。
また、冷風を当てることで、ドライヤー使用後の余熱によるダメージを防ぎ、髪の表面をなめらかに整えることができます。
スタイリングのもちも良くなるため、ツヤ感とまとまりを長持ちさせたい方には特におすすめです。
ドライヤーの距離と動かし方のコツ
ドライヤーは近づけすぎず、15〜20cmの距離を保って使用するのが基本です。
この距離を守ることで、髪に当たる風と熱が分散され、熱の集中によるダメージを防げます。
さらに、ドライヤーを常に動かしながら使うことで、一箇所への過度な熱集中を避けることができ、髪全体を均等に乾かすことが可能に。
プロのスタイリストも実践するこの基本動作は、毎日のヘアケアでの重要なポイントです。

髪を守るための+αのケア方法
洗い流さないトリートメントの使い方
ドライヤー前に洗い流さないトリートメント(アウトバストリートメント)を使うことで、髪に保護膜を作り、熱や摩擦によるダメージを軽減することができます。
使い方のポイントは、髪の中間から毛先にかけて塗布すること。
根元に付けてしまうとベタつきやすく、ボリュームが出にくくなる原因になるため注意が必要です。
また、ミルクタイプはしっとり、オイルタイプはツヤ感重視など、髪質に合ったタイプを選ぶのも大切です。
ドライヤー前後のブラッシングの注意点
ドライヤー前に軽くブラッシングをすることで、髪の絡まりを解き、風が均一に当たりやすくなり、乾かしやすくなります。
ただし、濡れた髪は非常にデリケートな状態です。
このときに強く引っ張ったり、目の細かいブラシを使うと、キューティクルを傷つけてしまう可能性があります。
そのため、目の粗いコームやブラシを使い、やさしく毛先から順にとかすことが大切です。
仕上げ後にもブラッシングを行うと、髪表面が整いツヤもアップします。
ダメージが気になる人のための対処法
すでに髪がパサつきやすく、指通りが悪い・広がりやすいなどの悩みがある方は、日常ケアにプラスして集中ケアを取り入れるのがおすすめです。
具体的には
- 週1〜2回の集中トリートメント(ヘアマスクやスチームケア)
- 熱ダメージを減らすために、ドライヤーを使う時間を短縮
- 寝る前のナイトケア(ナイトキャップ・ナイトオイル)
これらを取り入れることで、徐々に髪の内部からうるおいが戻り、ハリ・コシ・ツヤのある髪へと改善が期待できます。
それでも髪がパサパサする…他に考えられる原因は?
シャンプーやトリートメントの成分の影響
髪が乾燥する原因は、ドライヤーだけでなく使用しているヘアケア製品の成分にもあるかもしれません。
例えば、高い洗浄力を持つシャンプー(硫酸系界面活性剤など)は、皮脂や汚れだけでなく、必要なうるおいまで洗い流してしまう可能性があります。
また、シリコンが過剰に含まれているトリートメントは、髪表面のコーティングが厚くなりすぎて内部にうるおいや栄養が浸透しづらくなる場合もあります。
自分の髪質や悩みに合った、保湿成分やアミノ酸系のやさしい洗浄成分を含む製品を選ぶことが重要です。
カラーやパーマによる内部ダメージ
カラーやパーマはおしゃれの楽しみの一つですが、髪の内部にあるコルテックス層にダメージを与える行為でもあります。
この内部ダメージにより、髪の水分保持力が低下し、外からの保湿ケアだけでは追いつかないほどの乾燥状態になることがあります。
特に、繰り返しの施術やブリーチは、髪を空洞化させてスカスカな状態にすることもあります。
そのため、カラーやパーマ後は保湿と補修を重視したケア(高保湿トリートメント・ヘアマスク・インバス+アウトバスの併用)を取り入れましょう。
日常生活(紫外線・乾燥・食生活)によるダメージ
髪の健康は、毎日の生活習慣とも深く関係しています。
例えば
- 紫外線はキューティクルを破壊し、髪の水分を蒸発させる
- エアコンの風や冬の乾燥は、髪を乾きやすい状態にする
- 偏った食生活は、髪に必要な栄養が届かなくなり、パサつきやハリのなさに直結する
対策としては
- 外出時は帽子やUVカットスプレーで髪を守る
- 室内では加湿器を使用して乾燥対策
- 食事ではビタミンB群・亜鉛・たんぱく質を意識して摂る
髪の表面的なケアだけでなく、体の内側からのケアと外的環境への意識も、美髪への重要な一歩です。
まとめ|正しい乾かし方でパサつきは防げる!
髪のパサつきは、日々のちょっとした習慣の積み重ねで改善できます。
特別な道具や高級ドライヤーがなくても、正しい乾かし方とケア方法を知ることが第一歩です。
明日からは、タオルドライを丁寧に行い、冷風仕上げを取り入れるだけでも髪の質感は変わります。
小さな意識の変化が、未来の美しい髪をつくります。
ぜひ今日から実践してみてください。
髪のパサつきは、日々のちょっとした習慣の積み重ねで改善できます。
特別な道具や高級ドライヤーがなくても、正しい乾かし方とケア方法を知ることが第一歩です。
今日からできることから始めて、しっとりまとまる髪を目指しましょう!
